Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
むしろ、敬虔な様子を示して、敗者の痛ましい呻きに眉をひそめたほどであったが、吉岡門下の人たちは、さっきの彼のことばをすぐ思い出して、
(嗤いに来たな)
と、感じたらしいのである。
植田良平か誰かが、
「――猿だッ、人間でない奴の仕業だ、相手にするな、早くやれ」
戸板を促すと、
「しばらく」
駈け出して来たかと思うと、小次郎はいきなり戸板の上の清十郎へ向って、話しかけた。
「――どうしたッ、清十郎殿、――武蔵めにやられましたな。――打ちどころはどこ? なに右の肩か……アアいかん、袋に砂利を入れたように骨は微塵だ。だが、仰向いて揺られて行ってはよくないぞ、体の内部にあふれている血が、臓器を侵し頭脳へも逆上ってしまうかも知れん」
周りの者へ向って、彼は、例の高飛車な態度でいいつけた。
「――戸板を下ろしなさい。なにを、ためらっているのか。下ろせ、いいから下ろしたまえ」
そしてまた、瀕死の態になっている清十郎へ、
「清十郎殿、起ってはどうだ。起てぬことがあるものか。傷手は軽い、多寡が右手一本ではないか。左の手を振って、歩けば歩けるにちがいない。拳法先生の子清十郎ともある者が、京都の大路を、戸板で戻ったといわれては、あなたはとにかく、亡き先生の名は地に墜ちる。