Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
「よう、これは、思いがけぬお連れではあるぞ。いよいよ、おもしろい」
灰屋紹由は、こういうと、さすがにいくら酔っていても、少しも崩れない薄い膝の角をそのままずいと進めて、すぐ信尹の前へ手をさし出し、
「――お流れを」
と、辞儀した。
信尹はにやにや、
「船ばしの翁、いつも元気でよいのう」
「かんがん様のお連れが、お館とは露だに知らず……」
と、杯を返す手からもうこの古武士は、わざと酔いを誇張して酩酊した太郎冠者のように細い皺首を振りうごかした。
「……ゆ、ゆるされいお館。へ、平常の、ご無沙汰はご無沙汰、会った時は会った時、なんの……関白でおざろうと、参議でござろうと……ハハハハ、のう沢庵坊」
と、またそばの坊主頭を脇へかかえ込み、信尹と光広の顔を指した。
「――世の中に、気の毒なものは、こ、このお公卿という人達じゃ。関白の、左大臣のと、よい名は貰うが、実はくれぬ。まだまだ町人が遥かましよ。……のう坊主、そう思わんかい」
沢庵も、この酔老人には、すこし辟易のていで、
「思う、思う」
と、彼の腕の中からやっと首を外して、自分の物にすると、
「これ、御坊からは、まだ戴いておらぬが」