Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate

Aozora Bunko

「ええ」

と、彼女は初めて、ニコと、枕の上から笑みを向けて、

「……だけど、訊くならわたしがいないところでね」

「お通さんの前で訊いちゃいけないの」

「きまりが悪いから」

「そんなことないさ」

「でも、沢庵さんは、わたしの病気を、武蔵病だなんていうんだもの」

「アラ、いつの間にか、喰べちゃったぞ」

「なに、蜜柑」

「も一つ喰べない」

「もう、たくさん、美味しかったわ」

「きっと、これから、なんでも食べられるよ。こんな時に、武蔵様が来れば、きっと、すぐ起きられてしまえるんだがな」

「城太さんまで、そんなことをいって」

城太郎とこんな話をしているうちは、熱症も体の痛さも忘れている彼女であった。

そこへ、烏丸家の小侍が、

「城太どの、いますか」

と、縁の外からいう。

「はい、おります」

答えると、

「沢庵どのが、あちらでお呼びです。すぐおいでなさい」

と告げて去った。

「おや、沢庵さん、帰って来たのかしら」

「行ってごらんなさい」

「お通さん、さびしくない」

「いいえ」

「じゃあ、用がすんだら、すぐ来るからね」

枕元を、立ちかけると、

「城太さん……あのこと、忘れずに、訊いてね」

「あのことって?」