Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
ちょうど丑の刻が鳴りましたが」
「どれ……発ちましょうか」
「もう出かけるのか」
又八は、伸びをして、
「亭主、さっきの食い逃げ娘は、捕まったかい」
「いや、あれ限りでございますよ。縹緻が踏めるので、万一、旅籠代や立て替えが取れなくても、住み込ませる口はあると安心していたところ、先手を打たれてしまいましたわい」
縁先へ出て、草鞋の緒をしめながら、又八は振返った。
「オイ、おふくろ、なにをしているんだい? ……。おれを急きたてておいては何日も自分がまごまごしていやがる」
「まあ待たぬかい、気忙しない。……のう又八、あれは汝が身に預けたであろうか」
「なにを」
「この旅包みの側へおいたわしの巾着じゃ。――宿の払いは、胴巻のお金で払い、当座の路銀をその巾着に入れておいたのじゃが」
「そんな物、おれは知らねえよ」
「ヤ、又八、来てみやい。この旅包みに、又八様として、なにやら紙きれが結いつけてあるぞ。……なんじゃと? ……まアいけ図々しやな、元の御縁に免じて、拝借してゆく罪をゆるしてくれと書いてあるわ」
「ふウん……じゃあ朱実が攫って行ったのだろう」
「盗んで、罪をゆるしてくれもないものじゃ。