Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
「みんなわしが悪いのだ。わしの悪いところも詫び、またお通さんの悪いところもよくいって、体を丈夫にするように今話すから……城太郎」
「なに?」
「おまえは、ちょっと……しばらくの間、どこかへ離れていてくれぬか」
城太郎は、そう聞くと、
「どうして?」
と、口を尖らし、
「どうしてさ。どうしておいらがここにいちゃいけないの」
と、不平なようでもあり、不審にも考えるらしく、動こうとはしないのであった。
武蔵も、それにはふと困ったらしい様子に見えた。すると、お通が頼むように、
「城太郎さん……そんなこといわないで、ちょっと、あっちへ行っていてください。……ね、後生ですから」
武蔵には口を尖らした城太郎もお通にそういわれると、理窟もなにもなくなって、
「じゃあ……おいら、仕方がないからこの上に登っているとすらあ。用が済んだら呼んでおくれ」
崖の杣道を見上げて、城太郎はがさがさと攀じ登って行った。
ようやく、少し元気を回復したらしく、お通は起って、鹿のように登って行く城太郎の影を見送り、
「――城太さん、城太さん。そんなに遠くへ行かなくってもいいのですよ」
そういったが、聞えたのか聞えないのか、城太郎はもう返辞もしない。