Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
「……お午餐を持ってまいりました。お客様、ここへお膳をお置きいたします」
やっと、知ったように、
「オウ」
武蔵は、背をのばし、振りかえって膳と稚児僧のすがたを見ると、
「おそれいります」
坐り直して、礼儀をした。
その膝には、白い木屑がちらかっていた。細かい木屑は、畳や縁にもこぼれている。栴檀かなにかの香木とみえ、微かににおう心地がする。
「すぐ召しあがりますか」
「はい、戴きます」
「じゃあ、お給仕申しましょう」
「憚りさまですな」
飯椀をうけて、武蔵は食べにかかる。稚児僧はその間、武蔵のうしろにキラキラ光っている小柄と彼が今、膝のうえから下ろした五寸ほどの木材をじっと見ていたが、
「お客様、なにを彫っておいでになるんですか」
「仏様です」
「阿弥陀様?」
「いいえ、観音様を彫ろうとしているのです。けれど、鑿の心得がないので、なかなかうまく彫れない。この通り指ばかり彫ってしまう」
手をだして、指の傷を見せると、稚児僧はその指よりも、武蔵の袖口から見える肱の白い繃帯に眉をひそめて、
「脚や腕のお怪我は、どんなでございますか」
「……ア。その方も、お蔭でだいぶよくなりました。