Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
われ事において、後悔せず
旅日誌の端に、彼はかつて、自分でこう書いて心の誓いに立てていた。――けれど源次郎少年のことだけは、いくらその時の信念をよび返して心に持ってみても、ほろ苦く、うら悲しく、心が傷んでたまらなかった。剣というものの絶対性が――また修行の道というものの荊棘には、かかることも踏み越えてゆかねばならないのかと思うと、余りにも自分の行く手は蕭条としている。非人道的である。
(いっそ、剣を折ろうか)
とさえ思った。
殊に、この法の山に分け入って幾日、迦陵頻伽の音にも似た中に心耳を澄まし、血しおの酔いから醒め、われとわが身にかえってみると、彼の胸には、菩提を生じないではいられなかった。
手脚の傷の癒える日を待つつれづれに、ふと、観音像を彫りかけてみたのは、源次郎少年の供養のためというよりは、彼自身が自身のたましいに対する慚愧の菩提行であった。
三
「――お小僧」
武蔵はやっと、答える言葉を見つけ出していった。
「じゃあ、源信僧都の作だとか、弘法大師の彫りだとか、このお山にも聖の彫った仏像がたくさんあるが、あれはどういうものだろう」
「そうですね」