Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
光悦がいうと、
「いや、拙者は、皆目そのほうのことはわかりませぬ、あて推量です。失礼なことを申して、おゆるし下さい」
「それはそうでしょう、いい茶碗一つ焼くにも、一生かかる道ですから。けれど貴方には、芸術を理解する感受性がある、かなり鋭い――やはり剣をおつかいになるので自然に養われた眼でしょうな」
光悦も多分に、武蔵の人間を、心のうちでは認めていた。しかし大人というものは、感心しても口で賞めないものだった。
つい、時の経つのを武蔵は忘れていた。そのうちに、下男が、菜を摘み足してくると、妙秀は、粥を煮、菜根を炊いて、これを光悦の手づくりらしい小皿に盛り、瓶の芳醇を開けて、ささやかな野の食事が始まる。
その茶料理も、武蔵には、余りに淡味すぎて、美味いとは思わなかった。彼の肉体は、もっと濃厚な味や脂を欲しているから。
――けれど彼は、素直に菜や大根のうすい味を味わおうとした。光悦からも妙秀からも、習っていいものが多分にあることを知ったからである。
――が何時、吉岡方の者が、師の報復を企んで、ここへ迫って来ないとも限らない。武蔵は落着かない気持に時々駆られて、野の遠方此方を見まわした。