Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
「城太さん、わたし、いい物持っていたのに、忘れていたのよ。あげましょうか」
「……なにさ」
「笹飴」
「……ふん」
「おととい、烏丸様から、いろいろお菓子を持たせてよこして下すったでしょう。それがまだ残っているのだけれど」
「…………」
くれとも、要らないともいわずに、城太郎が黙々と歩いて行くので、お通は、苦しい喘ぎを我慢して、側へ追いつき、
「城太さん、食べない? わたしも食べよう」
それからやっと、城太郎の機嫌がすこし直った。
志賀山越えを登りつめた時は、もう北斗は白く薄れて、雲は夜明けのたたずまいであった。
「草臥れたろ、お通さん」
「ええ、登りばかりだったから」
「もうこれからは、下り道だから、楽なものだよ。……ああ、湖水が見える」
「あれが鳰の湖ね。……瀬田はどの辺?」
「あっち」
と指さして、
「待っているといっても、お師匠様は、こんなに早く行っているかしら」
「でも、まだ瀬田まで行くには、半日以上もかかるでしょう」
「そうだ、ここから見ると、すぐそこのようだけれど」
「少し休まない?」
「休もうか」
すっかり気持も解けたとみえ、城太郎はいそいそ休み場所をさがし歩いていたが、