Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate

Aozora Bunko

「まあ飲めやい」

板を挟んで、対い合いに腰かけているのは三、四人の小商人。また独りで黙々と飯を食べている六部があるし、銭独楽をまわして、酒を賭けている労働者の一かたまりだの、せまい土間にいっぱいだった。

「暗いぞ、おやじ、鼻へ酒を入れちまうじゃねえか」

誰かがいうと、

「はい、はい、ただ今」

片隅の土間炉から、薪の炎が大きく立つ。外が暮れてくるほどに、この中は赤々と浮いてきた。

「思い出しても、癪にさわってならねえ。おととしからの炭薪や魚の代だ。あの道場で費うのだからちッとやそっとの物じゃあない。大晦日こそ、と出かけて行ったところが、門弟どもが、勝手なごたくを並べたあげく、掛取のおれたちを、外へ抓み出しゃあがったじゃねえか」

「まあ、そう怒んなさんな、蓮台寺野の一件で、おれたちの鬱憤も因果はてきめん、あいつらへ返っていらあな」

「だからよ、今頃まで、怒っているわけじゃねえ、欣しくってたまらねえのだ」

「だが、吉岡清十郎も、話に聞けば、あんまり脆い負け方をしたものじゃねえか」

「清十郎が弱いのじゃない、武蔵という男が、途方もなく強いらしいんだ」

「なにしろ、たんだ一撃ちで、清十郎は左の手だか右の手だか、どっちか一本失くしちまった。