Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
「よう、よう、お通さんてば。あれ買っておくれよ」
と、彼の足を、往来へ釘づけにしてしまう。
先ほど、通りこえた須原の宿には、木曾将軍の四天王、今井兼平の砦の址があるところから「兼平せんべい」を軒並み売っていたため、とうとうそこでは、お通が根負けして、
「これだけですよ」
念を押して、買って与えたが、半里と歩かない間に、それもぼりぼり食べ終ってしまい、ややともすると、なにか物欲しそうな顔をする。
寝覚では、宿場茶屋の端をかりて、早目な昼めしを喰べたので、事なく済んだが、やがて一峠越えて、上松のあたりへかかると、
「お通さん、お通さん。干し柿が下がっているぜ。干し柿喰べたくないかい?」
そろそろ謎をかけ始める。
牛の背に乗って、牛の顔のように、お通が聞えない振りをしているので、空しく、干し柿は見過ごしてしまったが、程なく木曾第一の殷賑な地、信濃福島の町中へさしかかると、折から陽も八刻頃だし、腹も減り頃なので、
「休もうよ、そこらで――」
と、また始め出した。
「ね、ね」
こう鼻で捏ね出すと、駄々に粘りが出るばかりで、歩けばこそ、テコでも動く顔つきではない。
「よう、ようっ。