Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
だが。
この防風林の中の百姓家はいったい何者の住居か。――不覚に踏み込んで、再度、お通を隠されるようなことになってはならないと、同時に、武蔵は戒心する。
で、しばらくの間、影を密めて、中の様子を窺っていると、
「おっ母、いいかげんにもう止めんかい。眼がわるい眼が悪いといいながら、そんな暗れえとこでいつまで、仕事してるだ」
薪や籾殻の散らかっている隅の暗がりから、途方もない大声でいう者がある。
次の気配に耳を澄ましていると赤々と火の影の揺れているのは、厨の次の炉部屋で、その部屋か、次の破れ障子の閉まっている辺りで、微かに、糸をつむぐ糸車の音がする。
しかし、すぐその音が止んだのは、おっ母と今呼んだ怖ろしく威張った息子のいうことを聞いて、すぐ仕事を片づけているものと思われた。
隅の小屋で、なにか働いていた息子は、やがてそこを閉めながらまた、
「今、足を洗うからすぐ飯が喰えるようにしといてくれえ、いいかあおっ母」
草履を持って、厨のそばを流れている溝ぎわの石に腰かけ、二、三度足をざぶざぶやっていると、その肩へ、斑の牝牛がのっそりした顔をつき出した。
息子は牝牛の鼻づらを撫でながら、いっこう返辞もない母屋の人へ向ってまた大きな声でいう。