Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
と、言い訳して、平蜘蛛のように、詫び入るだけだった。
弱い者にはどこまでも強くなれる又八であるから、忽ち、反身になって、
「それだけか。――それだけの考えに相違ないか」
と、まるで代官のように威張っていう。
「へい、まったく、それだけのことで……」
と、一方が愈ふるえ顫くと、
「うむ、それなら勘弁してつかわそう。だが、その代りに、馬の背の俵をみんな降ろせ。そして、俵のあとへ、あのお堂の中にいる女を括しつけて、俺がもうよいという所まで乗せて行くのだ」
勿論、こんな無理を押しつける場合は、又八でない人間でも、必ず刀をひねくり返して見せることは忘れない。
嫌応なしの脅しである。お通は馬の背中へ括しつけられた。
又八は、竹を拾って、馬を曳く人間を撲る鞭としながら、
「こら土民」
「へい」
「街道すじへ出てはならねえぞ」
「では、どこへお越しなさるのでございますか」
「なるべく、人の通らない所を通って、江戸まで行くのだ」
「そんなことを仰っしゃっても無理でございまする」
「何が無理だ。裏街道を行けばいいのだ。さしずめ、中山道を避けて、伊那から甲州へ出るように歩け」
「それやあ、えらい山路で、姥神から権兵衛峠を越えねばなりませぬで」