Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate

Aozora Bunko

「なに。百姓で終るとか」

息子の襟がみを膝へ引き寄せると、三ツ児の尻でもたたくように、彼女は、歯がゆそうに、権之助を叱るのだった。

「どうぞして、そなたを世に出し、まいちど家名を興させたいものと願えばこそ、母もこの年まで、世に望みを繋いでいたものを、このまま、草屋に朽ち終るほどなら、なんで幼少からそなたに書を読ませ、武道を励まし、稗粟に細々生きてまで、露命の糸をつむいで来ようぞ」

老母は、ここまでいうと、子の襟がみを抑えたまま、声も嗚咽になってしまって――

「不覚を取ったら、なぜその恥をそそごうとは思わぬか。幸いなことには、あの牢人はまだこの家に泊っておる。眼をさましたら改めて手合せを望み、その挫けた気持に信念を取り戻したがよい」

権之助は、やっと顔を上げたが、間が悪そうに、

「おっかあ、それが出来るほどならば、おらが何で弱音を吐くものか」

「常の其方にも似あわぬこと。どうしてそのように意気地のうなりやったか」

「ゆうべも、半夜のあいだ、あの牢人を連れ歩くうち、絶えず、一撃ちくれてやろうと、狙い続けていたが、どうしても、打ち撲ることができなかった」

「そなたが、怯みを抱いているからじゃ」