Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
湯漬を喰べながらも、外記はまだ頻りと主人自慢を話しつづけている。中で武蔵が心を傾けさせられたものは、政宗公という一箇の武辺を中心として、伊達藩の者がこぞって、
(如何に武士たるべきか)
と――武士の本分を、「士道」というものを、磨き合っている風の旺なことだった。
今の社会に、「士道」はあるかないか、といえば、武士の興った遠い時代から、漠とした士道はあった。けれど漠としたままそれは古い道徳となり、乱世のつづくうちに、その道義も乱れ果てて、今では太刀を持つ人間の間に、かつての古い士道さえ見失われてしまっている。
そしてただ、
(武士だ)
(弓取りだ)
という観念だけが、戦国のあらしとともに強まっているのみである。新しい時代は来つつあるが、新しい士道は立っていない。従ってその武士だ、弓取りだと自負する者のうちには、屡、田夫や町人にも劣る下劣なのが見かけられる。勿論、そういう下劣なる武将は、自ら滅亡を招いてはゆくが、そうかといって、真に「士道」を研いて、自国の富強の根本としてゆこうと自覚している程な将は――まだ豊臣系や徳川系の諸侯を見わたしても極めて少ないのではあるまいか。