Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
「誰もまだ、そんなお人は、見かけねえようですが、なあに旦那、こちとらが手分けをして、諏訪塩尻の三道にかけて、探すとなれやあ造作アありませんぜ。誘拐された女子だって、道のねえ所を越えてゆく筈はなし、そこは蛇の道はヘビってもんで、訊き廻るにも、土地に明るいこちとらでなけれやあ分らねえ穴がございますからね」
「なるほど」
武蔵はうなずいた。大きにそれは理窟がある。土地にも不案内な自分が、いたずらに歩いてみたり焦躁するよりは、こういう輩を使えば忽ち、二人の消息は分るかも知れない。
「――では頼む、ひとつ其方たちの手で、探してくれまいか」
率直にいうと、人足たちは、
「ようがす」
と、一斉にひき受けてから、しばらくがやがや手分けの評議をしていたが、やがて一名の代表者が前へ出て、揉手をしながら、
「ええ、旦那え。エヘヘヘ、寔に申しかねますが、なにしろ裸商売、こちとらあまだ、朝飯も喰べておりません。夕方までにゃあ、きっと、お尋ねのお人を突き止めますから、半日の日雇い賃と、わらじ銭とを、ちっとばかりやっておくんなさいませんか」
「おう、元よりのこと」
武蔵は当然に思って、貧しい路銀をかぞえてみたが、彼の要求する額には、その全部をはたいても足りなかった。