Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate

Aozora Bunko

花といえば、空こそ、星のお花畑とも見える。

「おおオいっ」

立場茶屋を離れておよそ二十町も来た頃である。

「――今の旦那あ、お忘れ物をなされたぞよ」

さっき茶店に居合せた野武士ていの中の一人であった。

側へ駈けて来て、

「早いお脚だの、あんたが出て行ってから、しばらくしてから気づいたのじゃ。――このお金は、あんたの物じゃろうが」

掌に、一粒の銀片をのせて、武蔵に見せ、それを返そうと追いかけて来たのだという。

いやそれは自分の物ではあるまいと武蔵はいったが、野武士ていの男は、かぶりを振って、確かにあなたが金包みを落した時、この一片が土間の隅へ転がったものに違いない、と押し戻して来る。

数えて持っている金ではないので、そういわれてみると、そうかも知れないと武蔵は思うほかなかった。

で、礼をいって、それを袂に納めたが、武蔵は、この男の正直な行為が、なぜか少しも自分の感激に触れないことに気づいた。

「失礼じゃが、あんたは、武道を誰に習びなされた」

用がすんでからも、男は要らぬ話をしかけて、側へついて歩く。それもおかしい。

「我流ですよ」

と、武蔵は、投げっ放しな語調でいう。