Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
(負けるものか、みんな蒐っても――)
と、乳牛院の原に屯している吉岡方の門人まで、敵の数に入れて、なおかつ、堅く武蔵の腕に信頼を持っていた。
――だから、そのほうにはなんの取り越し苦労もしていないが、お通の来ていないことは、彼を落胆させた程度でなく、なにか、お通の身の上に、凶い事が起っているような胸騒ぎを駆りたててくる。
彼女が――
五条大橋からお杉隠居に従って別れてゆく時、
(暇を見ては、わたしも、烏丸様のお館へ行きますからね。城太さんは、当分、お館におねがいして、あそこに泊っておいでなさいね)
そういった。
たしかに、そういった。
だのに――あれから今朝で九日目――そのあいだの正月の三ガ日にも、七くさにも、ついにいちども、お通は訪ねて来なかったではないか。
(どうしたんだろう?)
という城太郎の不安は、もう二、三日前から持ち越して来ているものであった。それも今朝、ここへ来るまでは、一縷の望みをつないでいたのであったが――
「…………」
ぽつねんと、城太郎は、原の真ン中をながめていた。焚火のけむりを囲んでいる吉岡の門人は、遠方から数千人の見物の眼につつまれて、物々しげにかたまってはいるが、まだ清十郎の来ないせいか、なんとなく、気勢が昂っていない。