Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
「いいひとだぜ」
と、城太郎がことさらに――
「やさしくって、思いやりがあって、綺麗でサ――。おいら、大好きだ、お通さんは!」
と、いったので、朱実の胸はよけいに、或る脅威を感じてきた。
けれど、そういう脅威は、どんな女性でも決してあらわには顔色に出さない。反対に、彼女も、ほほ笑むのであった。
「そう、そんないいひと」
「ああ、そして、何でもよくできるよ、歌もよむし、字もうまいし、笛も上手だしね」
「女が、笛なんか上手だって、なんにもなりやしないじゃないの」
「けれど、大和の柳生の大殿様でも、誰でも、お通さんのことは賞めるぜ。……ただおいらにいわせれば、いけないことがひとつあるけれど」
「女には、誰にだって、いけない性分が沢山あるものよ。ただそれを、あたしみたいに、正直にうわべに出しているか、おしとやか振って、うまく包んでいるかの違いしかありやしないものよ」
「そんなことないよ。お通さんのいけないのはたった一つしかないよ」
「どんな性分があるの」
「すぐ泣くんだよ。泣虫なのさ」
「泣くの。……まあ、どうしてそう泣くんでしょう」
「武蔵様のことを思い出しちゃあ泣くんだろ。