Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
「――衆中八万四千衆生、皆発無等々、阿耨多羅三藐三菩提心。――南無大慈大悲観世音菩薩――なにとぞ、ばばが一念をあわれみたまい、一日もはやく、武蔵を討たせたまえ。武蔵を討たせたまえ。武蔵を討たせたまえ」
それからまた、遽に、声も体も沈めて、ひれ伏しながら、
「又八めが、よい子になり、本位田家の栄えまするよう」
彼女の祈りが終った様子をさし覗いて、堂守の僧が、
「あちらへ、湯を沸かしておきました。渋茶などお上がり下さいまし」
半瓦も乾児も、ばばのために、しびれをさすりながら起ち上がった。
乾児の十郎は、
「もう、ここなら、飲んでもようございましょう」
許しをうけると早速、堂裏にある僧の住居の縁側に、弁当をひろげ、舟で買い求めた魚などを焼いてもらって、
「この辺に、桜はねえが、花見に来たような気がするぜ」
と、お稚児の小六を相手に、すっかり落着きこむ。
半瓦は、布施をつつんで、
「お屋根料の足しに」
と、若干かを寄進したが、ふと壁に見える参詣者の寄進札のうちに、眼をみはった。
寄進の多くは、今彼がつつんだ程度の金か、それ以下の額であったが、中にたったひとり、ずば抜けた篤志家がある。