Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
隠士梟翁
と自ら名乗り、
(わしも、あの仲間の一羽か)
と、わが病骨を、さびしく笑ったりしていた。
病気は今でいう神経痛のようなものであった。発作が起ると、坐骨のあたりから半身が猛烈に痛むらしい。
「……先生、少しはおよろしくなりましたか。水でも一口おあがりなされては」
いつも彼の側には、北条新蔵という弟子がつき添っていた。
新蔵は、北条氏勝の子で、父の遺学を継いで、北条流の軍学を完成するために、勘兵衛の内弟子となって、少年の頃から、薪を割り水を担って、苦学して来た青年だった。
「……もうよい。……だいぶ楽になった。……やがて夜明け近くであろうに、さだめし眠たかろう。やすめ、やすめ」
勘兵衛の髪の毛は、まっ白であった。体は、老梅のように痩せて尖っている。
「お案じくださいますな。新蔵は、昼寝しておりますから」
「いや、わしの代講ができる者は、そちのほかにはない。昼間も、なかなか眠る間もあるまい……」
「眠らないのも、修行と存じますれば」
新蔵は、師の薄い背中をさすりながら、ふと、消えかける短檠を見て、油壺を取りに起った。
「……はての?」
枕に俯つ伏していた勘兵衛が、ふと肉の削げた顔をあげた。