Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate

Aozora Bunko

少しひどすぎたと悔いて、その兄弟子が、水をふくませて労っていると、息をふっ返した小次郎は、猛然とふいに立って、その兄弟子の木剣で、兄弟子を撲り殺してしまったという履歴すらある。

また、いちど負けたら、その敵を、彼は決して忘れない。闇の晩であろうが、雪隠へはいった時であろうが、寝ている間であろうがつけ狙うのである。これも、その頃の兵法としては、

(ばか、試合は、試合の時にしろ)

というわけには行かないのであるから、小次郎を一度打ち込むと、敵持ちになったのも同じだといって、そういう彼の異常な執拗を、同門の者はよくいわなかった。

いつのまにか、また彼は、

(おれは天才だ)

と、自分でいっていた。

しかしそれは、彼の不遜な思い上がりばかりでなく、師の自斎も一刀斎も、

(あれは天才だ)

と、ゆるしていたことは事実なのである。

郷里の岩国へ帰って、錦帯橋のたもとで、毎日、燕斬りの手練をつんで、独自な太刀を工夫してからは、なおさら、

(岩国の麒麟児)

と、人も称え、彼も自負していた。

――だが、その粘りのある剣の異常な執拗さが、女性を愛す場合に、どういう形であらわれるかなどということは、誰も知る限りのことでないし、小次郎自身は、それとこれとは、まるでべつに考えているので、朱実が自分を嫌って逃げたことが、不思議でならない顔つき