Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
佐渡の哄笑よりも、遥かに大きい寺僧のがなり声が、書院の横縁で聞えた。
侍たちは、すぐ立って、
「何じゃ」
「何事じゃ?」
と見まわした。
その影を見ると、誰か、小さな跫音がバタバタと庫裡の方へ逃げて行ったが、咎めた僧は、後に残って、頭を下げていた。
「お詫びいたしまする、何せい土民の親なし子、お見のがし下さいませ」
「覗き見でもしておったのか」
「そうでござります。ここから一里ほど先の法典ヶ原に住んでいた馬子のせがれでございますが、祖父が以前、侍であったとかで、自分も大きくなるまでに、侍になるのだと口癖に申しております。――で、貴方がたのようなお武家様を見かけると、指を咥えて、覗き見をするので困りまする」
座敷の中に寝ころんでいた佐渡は、その話にふと起き直って、
「そこの御房」
「はい。……アアこれは長岡様で、お目ざめに」
「いやいや咎め立てではない。――その童とやら、おもしろそうな奴。徒然の話し相手には、ちょうどよい。菓子でも遣らせよう。これへ、呼んでおくれぬか」
二
伊織は、庫裡へ来て、
「おばさん、粟がなくなったから取りに来たよ。粟を入れておくれ」
と、一斗もはいる穀袋の口を開けて、呶鳴っていた。