Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate

Aozora Bunko

武蔵は、今夜の土匪を討つことが目標ではなく、それがすぐ意図されていた。

「法典ヶ原の牢人様。さっき逃げ込んで行った賊が、大勢ほかの仲間を呼んで、今こっちへやって来るだぞ」

駈けて来た一人の土民が、武蔵と村の者へ、手を振って、急を告げた。

得物は持っても、山の暴れ者は怖ろしいと先入主になっている土民たちは、すぐ浮き腰になって、動揺しはじめた。

「そうだろう」

武蔵は、まず彼らに安心を与え――そして命令した。

「道の両側へかくれろ」

土民たちは、われがちに木の陰や畑にかくれた。

武蔵は一人残って、

「やがて来る賊は、わし一人で迎えて闘う。そしてわしは、一度逃げる」

彼らのかくれた左右を見まわして独り言のようにいう。

「――だが、お前たちはまだ出て来なくともよい。そのうちに、わしを追いかけて来た賊が、反対にまたここへ、散々に逃げて来るにちがいない。その時は、お前たちがわっと声をあげ、不意に横から衝け、足を払え、真っ向を撲りつけろ。――そしてまた潜んでは出、隠れては出、一匹も余さず打ちのめすのだ」

いっている間に、もう彼方から一群の土匪が、魔軍のように殺到した。

四