Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
「うごくな」
鉄壁でも――という勢いで彼は槍を横にしたまま外へ駈け出した。竿で水面を打ったように、土匪の群れは、さっと分れたが、もう槍の自由な広さである。武蔵は樫の黒い柄が撓うほど、それを振っていた、また突いてはねとばした、また上から撲りつけた。
敵わぬと思った土匪は、土塀の門へ向って逃げ出したが、そこは得物を持った村の者が犇めいていたので、塀をこえて、外へ転び落ちた。
多くは、そこで皆、村の者に打ち殺された。おそらく逃げた者も、片輪にならなかった者は少なかったであろう。村の者は、老いも若きも、女も、生れて初めての声を出して、しばらくは凱歌に狂い、少し経つと、わが子や、わが妻や、父母たちを見つけ合って、欣し泣きに抱き合っていた。
すると誰かが、
「後の仕返しが怖い」
といった。土民たちは、またそれに動揺めきだしたが、
「もう、この村には来ぬ」
と、武蔵が諭したので、やっと落着いた顔いろを取り戻した。
「――だがお前たちは、過信するな。お前たちの本分は、武器ではない鍬なのだ。穿きちがえて、生なかな武力に誇ると、土匪より恐ろしい天罰が下るぞ」
七
「見て来たか」