Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate

Aozora Bunko

そういう人間の横着な変り方は、伊織の顔にもありありと出ている。むりもないことには、すぐ横隣で博労の一群れが、鍋に物を煮て、騒がしく酒を飲んでいるのだ。法典の開墾小屋では、蕎麦を喰べたいと思えば、春先種子を蒔き、夏花を見て、秋の暮に実を乾し、ようやく冬の夜粉を挽いて喰べるのだが、ここでは手一つ叩いて、打ってもらえば、一刻もすると、蕎麦が出てくる。

「伊織、蕎麦を喰おうか」

武蔵がいうと、

「うん」

と、伊織は唾をのんで欣しそうに頷く。

そこで旅籠のかみさんをよんで、蕎麦を打って貰えるかと計ると、他のお客からもご注文があるから、きょうは打って上げてもいいという。

蕎麦のできて来る間、西陽の窓に頬杖ついて、下の往来をながめていると、すぐ斜向うに、

御たましい研所

本阿弥門流厨子野耕介

と読める板が軒先に出ている。

それを先に見つけたのは、眼のはやい伊織で、さも驚いた顔しながら、

「先生、あそこに、御たましい研所と書いてあるけれど、何の商売でしょう?」

「本阿弥門流とあるから、刀の研師であろう。――刀は武士のたましいというから」

そう答えて、武蔵は、

「そうだ、わしの刀も、いちど手入れしておかねばなるまいな。