Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
しかし、そのままだいぶ使ってもいる」
「なるほど」
「幸い、この刀は、鎌倉以前の稀れな名工の鍛刀ですから、骨は折れますが、錆の曇りも脱れましょう。古刀の錆はサビても薄い膜にしかなっておりませんから。――ところが近世の新刀となると、これほど錆させたらもうだめですわい。新刀の錆は、まるで質のわるい腫物のように地鉄の芯へ腐りこんでいる。そんなことでも、古刀の鍛冶と、新刀の鍛冶とは、較べ物になりはしません」
「お納めを」
と、武蔵もまた、刃を自分のほうに向け、みねを耕介の方にして刀を返した。
「失礼ですが、この刀の依頼主は、この家へ、自身で見えましたか」
「いえ、細川家の御用で伺いました時、御家中の岩間角兵衛様から、戻りに邸へ寄れと申され、そこで頼まれて参りましたので。――何か、お客の品だとかいいましたよ」
「拵えもよい」
燈の下に、武蔵がなお、しげしげと見入りながら呟くと、
「太刀作りなので、今までは肩に負って用いていたが、腰へ差せるように、革めてくれという注文ですが、よほどな大男か、腕に覚えがないと、この長刀を腰にさして扱うには難しい」
と、耕介も、それを見ながら、呟くようにいった。