Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
と、手も出さない。
意外な顔して、源八は、
「え? ……どうして」
「要らん」
「なぜですか」
「なぜでも、わしにはもうそんな物は、不要だと思うから」
「勿体ないことを仰っしゃる。自斎先生は、多くのお弟子のうちから、中条流の印可を授ける者は、あなたか、伊藤一刀斎か、こう二人よりないと見て、生前から心で許しておいでになったのですぞ。――やがて、いまわの際に、この一巻を、甥の天鬼様にあずけて、あなたへ渡せと仰っしゃったのは、伊藤一刀斎は、すでに独自の一派を立てて、一刀流を称しておりますゆえ、おとうと弟子ではあるが、あなたに印可目録をお許しになったものだろうと考えられます。……師恩の有難さ、おわかりになりませんか」
「師恩は師恩、しかし、わしにはわしの抱負があるのだ」
「なんですッて」
「誤解するな、源八」
「余りといえば、師に対して、無礼でございましょう」
「そんなことはない。ありようにいえば、わしは師の自斎先生よりも、もっと秀でた天稟を持って生れていると思っている。だから、先生よりも偉くなるつもりなのだ。あんな片田舎で晩年を埋もれてしまうような剣士で終りたくないのだ」