Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
「いきなり、菰とお稚児へ、斬りつけて来たのか」
「そうじゃ、まるで疾風のようにな、何かいう間もない、陰から不意に出て来て、菰どのを先に仆し、稚児の小六が、驚いて抜き合わす弾みに、もう何処か斬られていたような」
「して、どっちへ逃げたか」
「わしも、傍杖くって、こんな汚い所へ墜ちてしまったので、見もせなんだが、跫音はたしかに、あっちへ遠のいて行った」
「河の方へだな」
小次郎は宙を駈けた。
よく馬市の立つ空地を駈けぬけ、柳原の堤まで出て見た。
伐った柳の材木が、原の一部に積んである。そこに人影と灯が見えた。近づいてみると四、五挺の駕を置いて、駕かきが屯しているのだった。
「オオ、駕屋」
「へい」
「この横丁の往来に、連れの者がふたり斬られて仆れている。それに下水溜りへ墜ちた老婆とがいるから、駕にのせて、大工町の半瓦の家まで送り届けておいてくれい」
「えっ、辻斬ですか」
「辻斬が出るのか」
「いやもう、物騒で、こちとらも、迂濶にゃ歩けやしません」
「下手人はたった今、そこの横丁から逃げ走って来たはずだが、其方たちは、見かけなかったか」
「……さあ、今ですか」
「そうだ」
「嫌だなあ」