Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate

Aozora Bunko

もう、父はそれを知っていたのかと、包んでいるつもりだった余五郎は、ややうろたえた。

「は……。では……ただ今見えた使いの者でございましょう」

「使いとは、どこから」

「北条新蔵の身に、ちと変事がござりまして、それを知らせに来てくれた――宮本武蔵とか申すお人です」

「ふム? ……宮本武蔵。……はてな、江戸の者ではあるまいが」

「作州の牢人とか申しておりましたが――お父上には只今の人間に、何ぞお心当りでもあるのでござりまするか」

「いや――」

勘兵衛景憲は、白い髯のまばらに伸びた顎の先をつよく振って、

「なんの由縁も見おぼえもない。したが、この景憲も、若年からこの年まで、数々の戦場はおろか平時のあいだに、随分人らしい人は見たが、まだ真に武士らしい武士に出会うたのは幾人もない。――ところが、今立ち去った侍には、何か、心が惹かれた。――会いたい。ぜひその宮本殿とやらに会って話してみたい。――余五郎、すぐ追いかけて、これへ、ご案内申して来い」

三

あまり長く話してもいけない――と医者からも注意されている病人である。

――呼んでこい。

と、病人が、やや昂奮していうだけでも、余五郎は、父の容態に障りはしないかと、案じられるのだった。