Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
それをおまえは自覚して、もっと自分を大事にしなければいかぬ)
といったようなことを常に聞かされていた。下小川の羅漢寺は、その赤松氏の宅地と隣り合っていた菩提寺なので、そこを訪ねてみたら、祖先の平田氏の過去帳などもあるかも知れない。父の無二斎も、京都へ出た折は、一度訪ねて、祖先の供養を営んだことがある、とか聞いてもいたし――またそんな古いことが知れないまでも、そういう有縁の地に立って、時には、自分の血液につながる遠い過去の人々を偲んでみることも無意味ではなかろうと――武蔵はしきりとその日、その羅漢寺をさがしていたのである。
下小川の流れに「らかん橋」というのが架かっていた。しかし、羅漢寺というのは、尋ねても知れなかった。
「変ったのかなあ、この辺りも」
武蔵は、らかん橋の欄干に立ちながら――父と自分とのわずか人間一代のうちにも、激しく推移している都会のすがたというものを考えていた。
らかん橋の下を流れてゆく浅いきれいな水が、時々、粘土でも溶かすように白く濁って、しばらくすると、また、それがきれいに澄んでいた。
見ると、その橋から見える左がわの岸の草むらから、チョロチョロと濁り水が吐き出されて、それが川へ注ぎ込まれる度ごとに、白いささ濁りが拡がってゆくのであった。