Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate

Aozora Bunko

五

「睨めッこ」

「やくたいもない」

「では貝合せ」

「あれは、汚い爺を相手にする遊戯びではない」

「憎いことを。しからば、じゃんけん!」

「よろしかろう。さあ」

「沢庵坊、行司行司」

「心得た」

ふたりは真顔になって、拳を闘わせた。一勝一敗のつくたびに、どっちかが、杯をのみ乾し、その口惜しがりようを見て、みんなが笑い崩れるのだった。

吉野太夫はその間に、音もなく席を起って、松の位の裳を楚々と曳き、雪の廊下を奥ふかく姿を消してしまった。

五

これは相討ちとなるほかあるまい。どっちも酒にかけては一かどの巧者と強者、酒戦の勝負はいつ果つべしとも見えなかった。

吉野が去ると間もなく、

「わしも……」

急に思い立ったように、近衛信尹は館へ帰ってしまったし、行司の沢庵も眠くなったとみえ、無遠慮な欠伸を発してしまう。

それでもまだ二人は酒戦をやめない。勝手にやらせておいて沢庵も勝手に寝ころぶ。そして、近くにいた墨菊太夫の膝を見つけて、そこへ断りなしに頭をのせてしまう。

そのまま、うつらうつらしているのは快い気もちだったが、沢庵はふと、

(淋しがっているだろうな、早く帰ってやりたいが)