Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
六
六
「叱られたな。ハハハ、怒ったのか、城太郎」
「おいらのお師匠さまのこと悪くいうからさ。お通さんのことを馬鹿だなんていうからさ」
「おまえ可愛い奴だ」
頭を撫でてやると、城太郎は、その頭をうごかして、沢庵の手を振り落し、
「もういいよ。沢庵坊主なんか、なにも頼まないから。おいら一人で武蔵様を捜して来て、お通さんに会わせてやるからいい」
「知ってるか」
「なにをよ」
「武蔵のいる処を」
「知らなくたって、捜せば知れらい。よけいな心配するな」
「小癪なことをいっても、おまえには、吉野太夫の家はなかなか分らぬぞ。教えてやろうか」
「頼まない、頼まない」
「そうぽんぽん当るな城太郎。わしじゃとて、お通さんの仇じゃない、武蔵を憎む理由もない。それどころか、どうかして、あのふたりが二人とも、よい生涯を完うしてくれるように蔭で祈っている者だ」
「じゃあどうして意地悪をするんだい」
「おまえには、意地悪と見えるのか。そうかも知れんな。だが、武蔵もお通さんも、今のところ、どっちもまあ病人のようなものだ。体の病を癒すのが医者で、心の病を治すのが坊主ということになっているが、その心の病のうちでもお通さんのは重態だ、武蔵のほうは、抛っておけばどうにかなろうが、お通さんの方はわしにも今のところではどうにもならん。