Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
七
「いや、それだけでは、承知できぬ。――必ず、他日の果し合いまでおん身が武蔵の身を預かると保証するなら、一応、今夜のところは別れてもよいが」
「――待て、武蔵の腹を糺してみるから」
小次郎はくるりと振向いた。さっきから、自分の背を射るように見ている武蔵のひとみを正面に睨め返しながら、彼は、自分を押し出すように、ずっと胸を寄せて行った。
七
「…………」
「…………」
口のうごく前に双方の烈しい眼であった。猛獣が猛獣を見た時のような沈黙であった。
このふたりは、先天的に合わない性格の持主とみえる。お互いが認めているものを、お互いに怖れ合っていた。若い自負心と自負心とが、触れるとすぐ摩擦を起そうとするのであった。
で――それは、五条大橋の時もまた今も同じ心理が竦み合いになりかけた。言葉を交わすまえに、眸と眸とが、もう小次郎の感情と、同時に武蔵の感情とを、完全にいい尽し、余すところなく無言の意思が闘っているのである。
――でも、一言はあった。
やがて小次郎の方からである。
「武蔵、どうだ」
「どうだとは」
「今、吉岡側のほうへ、わしが談合したような条件で」
「承知した」