Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate

Aozora Bunko

「……城太さん?」

疑うように呼んだ。

「……城太さんじゃないの?」

ふた声目に、城太郎は、ぎょっとしたような顔を向け、

「あっ、お通さん?」

「まあ、なにを泣いているんです――そんなところで」

「お通さんこそ、病人のくせに、どうして外へなんか」

「どうしてって、おまえくらい人を心配させる者はない。わたしにも、お館の人へも、なにもいわずに、いったい、今までどこを歩いていたんです……。灯りが点いても帰って来ないし、御門が閉まっても姿が見えないし、どんなに心配したか知れません」

「じゃあ、おいらを捜しに出ていたの」

「もしやなにか、間違いでもあったのではないかと、寝ているにも寝ていられなくなって」

「ばかだなあ、病人のくせに。またこの後、熱が出たらどうするんだい。さあ、はやく寝床へ引っ込みなよ」

「それよりなんでお前は泣いていたの」

「後でいうよ」

「いいえ、凡事ではないらしい。さ、事情をお話し」

「寝てから話すからさ、お通さんこそ、はやく寝てくれよ。明日また、うんうん唸っても、おいら知らないぜ」

「じゃあ、部屋へはいって寝ますから、ちょいとだけ話しておくれ。……おまえ沢庵様の後を追いかけて行ったのでしょう」