Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
七
であった。
七
ふと気づくと、その時、樹の下に誰か人影がうごいていた。
小次郎が、梢の上にいることをその人間は知らないらしい。
「……や、誰か仆れているが」
と、又八のそばへ寄って、屈み腰になりながら又八の顔を覗いていたと思うと、やがて、
「あっ、こいつだ」
と、梢の上までよく聞えてくるような大声でいって、いかにも驚いたらしい態であった。それは手に白木の杖を持っている六部であった。六部は何思ったか、あわてて背の笈ずるを下ろし、
「……はてな、斬られているようでもないし、体はまだ温いし、どうして此奴め、気を失っているのか」
呟きながら、又八の体を撫でまわしていたが、やがて腰についていた細曳を解くと、又八の両手を後ろへやって、ぐるぐる巻きに縛ってしまう。
気絶していることなので又八はなんの抵抗もするわけはない。六部は、そうしておいてから、又八の背を膝がしらで抑え、鳩尾のあたりへ、気合いをかけて押していた。
ウウム――と又八が太い声を出すと、六部はそうして手当した者を、まるで芋俵でも引っ提げるような扱い方して、樹の下へ持って来た。
「起てっ、起つんだ!」
こう厳命して、足で彼を蹴飛ばした。