Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
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かたな談義
一
その上にまた、長々と、刀箱から涎をたらして、何時覚むべしとも見えない体なのである。
「ごめん!」
少し声を張って、武蔵はもう一度、荘子の寝耳を訪れた。
かたな談義
一
武蔵の声が、ようやく耳にはいったとみえ、厨子野耕介は、百年の眠りから今醒めたように、おもむろに顔を上げて、
「……?」
おや、といいたげに、武蔵のすがたを、まじりまじり眺めている。
程経て、
「いらっしゃいまし」
やっと、自分が居眠っていたところへ客が来て、何度も起されたことを覚ったらしい。にたりと、涎のあとを掌でこすって、
「何か御用で」
と、膝を直していう。
怖ろしく暢んびりした男である。看板には「御たましい研所」と高言しているが、こんな男に武士の魂を研がせたら、とんだ鈍ら刀になってしまうのではあるまいか――一応案じられもする。
だが、武蔵が、
「これを」
と、自分の一腰を差し出して、研ぎをかけてもらいたいというと、耕介は、
「拝見いたします」
さすがに、刀に対うと、痩せた肩を、突兀と聳え立て、片手を膝に、片手を伸ばして、武蔵の腰の刀を取って、慇懃に頭を下げた。
人間が来た時には、ぶあいそに下げもしなかった頭を、刀に対しては、まだそれが名刀か鈍刀かも知れないうちから――まず鄭重にこの男は礼儀をする。