Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
「わからぬか、おばば。やはりおぬしもどこか耄碌したのう」
「オーッ、沢庵坊主じゃの」
「おどろいたか」
「なんの!」
猛々しく婆は白髪の光る首を横に振ってさけんだ。
「どこ暗くのう世間をうろついている物乞い坊主、今はこの京都に流れておじゃったか」
「そうそう」
沢庵はにこりと酬いて、
「ばばのいう通り、さきごろまでは柳生谷や泉州の辺りをうろついていたが、ついゆうべ、ぶらりと都へやって来てな、さるお方のお館で、ちらと腑に落ちぬ沙汰を耳にしたので、これはいかん――捨ておけぬ大事と思い、黄昏からおぬし達を捜しあるいていたのじゃよ」
「何の用で?」
「お通にも会おうと思って」
「ふーム」
「おばば」
「なにかや」
「お通はどこへ行った」
「知らん」
「知らんことはあるまい」
「このおばばは、お通に紐をつけて歩いてはおりませぬぞよ」
提燈を持って後ろに立っている旅籠の手代が、
「……ヤ。お坊さま、血がこぼれております、生々しい血しおが」
明りへ俯向いた沢庵の顔が、さすがに少し硬ばってみえた。
――隙を見て、お杉婆は突然起ちあがって逃げだした。
振向いて、沢庵はそのまま、
「待たっしゃれ! おばば! おぬしは家名の泥をすすぐとて故郷を出て、家名に泥をなすって帰るのかっ。