Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate

Aozora Bunko

子が可愛ゆうて家を出ながら、その子を不幸にして戻るのかっ」

実に大きな声なのだ。

沢庵の口から出ているようには聞えないのである。宇宙が呶鳴ったようにそれは婆の全身をつつんで聞えた。

ぎくと、婆は足をとめた。顔の皺がみな負けん気を顔に描いて、

「なんじゃと、わしが家名に泥のうわ塗りをし、又八をよけいに不幸にするとおいいやるか」

「そうだ」

「阿呆な」

せせら笑って――しかしなにをいわれたよりも真剣になって、

「布施飯くうて他人の寺に宿借して、野に糞してばかり歩く人間に、家名じゃとか、子の愛じゃとかいう、世間のほんとの苦しみがわかって堪るものかいの。人なみな口をたたくなら、人なみに働いて食う米を食わッしゃれ」

「痛いことをいう。そういってやりたい坊主も世間にはあるから、わしにも少し痛い。七宝寺にいた頃から、口ではおばばに敵わないと思っていたが、相変らずその口が達者だのう」

「オオさ、まだまだこの婆にはこの世に大望がある、達者は口ばかりと思うてか」

「まあいい。――済んだことは仕方がないとして話そうじゃないか」

「なにを」

「おばば、おぬしはここで、又八にお通を斬らしたな。