Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
さ、人通りのないうちに、はやく越えろ」
城太郎は、辺りを見まわして、暗い柵の下へ駈け寄った。けれど、焼丸太の柵は、彼の背丈の三倍も高かった。
(だめだ、おいらにゃ、とても越えられそうもないや)
自信のない眼で、城太郎は柵の高さを見上げていた。すると武蔵は、どこからか、一俵の炭俵をさげて来て、柵の下においた。
そんな物を踏台にしたって駄目だといわないばかりに、城太郎は武蔵のすることを見ていた。武蔵は、柵の間から外を窺って、しばらく、じっとなにか考えている。
「…………」
「お師匠様、誰か柵の外にいるんですか」
「この辺、柵の外は、蘆がいちめんに生えている。蘆の原だから水たまりがあるかも知れぬ、気をつけて跳び降りろよ」
「水なんかいいけれど、高くって、上まで手が届かない」
「総門のみでなく、柵の外部にも、要所要所には、吉岡の見張がいるものと思わなければならぬ。外が暗いから、それに用意をして跳び下りぬと、不意に、どんな者が、闇から刀を薙ぎつけて来るかも知れないのだ。――だから、わしが背丈を貸して上げてやるから、柵の上で一応体を止めて、よく下を見定めてから跳ぶのだぞ」