Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
武蔵はそこに立っていた。
「おッ、お師匠様っ」
静かな水面の持っていた月雲の空は、とたんに真っ黒に乱れ濁ってしまった。水の縁を通って行けばよいのに、城太郎はいきなり飛び込んで水の中を駈け渡り、ばしゃばしゃッと顔まで濡らして武蔵の体へ飛びついて行ったのであった。
「いたっ、いたっ」
捕まえた者を引ったてるように、武蔵の手を、彼は夢中になって引っ張った。
「待て」
武蔵は顔をそ向けて、ふと瞼に指を当てながら、
「あぶない、あぶない。すこし待て、城太郎」
「いやだっ、もう離さない」
「安心せい、おまえの声が遥かに聞えたから、待っていたのだ。わしよりも、早くお通さんに水を持って行ってやれ」
「ア、濁ってしまった」
「向うにもよい水が流れている。それ、これを持って行け」
腰の竹筒を渡してやると、城太郎はなに思ったか、手を引っ込めて、武蔵の顔をじっと見、
「お師匠様。……お師匠様の手で汲んで行っておやりよ」
六
「……そうか」
吩咐けに従うように、武蔵は素直に頷いた。自分で竹筒に水を掬い、お通の側へ持って行った。
そして彼女の背を抱え、手ずから水を飲ませてやると、城太郎は傍らから、