Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
「そんなに喰べてばかりいると、人間が莫迦になりますから」
「じゃあ、お通さんのと、二盆喰べてしまうぜ」
「――まあ、呆れた子」
なんといわれようが、喰べているうちは、耳のないような城太郎の姿である。
がらにもない大きな木剣が、屈みこむと肋骨に触って、欣ぼうとする官能の邪魔になる気がするのであろう、中途から、その木剣をぐるりと背中へ廻して、一度、むしゃむしゃやりながら往来へ眼を遊ばせた。
「はやく喰べてしまいませんか。よそ見などしていないで」
「……おや?」
城太郎は、盆に残っている一つを、あわてて口へ抛りこむと、なにを見たか、往来へ駈け出して、小手をかざした。
「もういいんですか」
鳥目をおいて、お通も後から出て来ようとすると、城太郎は彼女を床几へ押しもどして、
「待ちなよ」
「まだなにかねだるつもり?」
「今、彼方へ、又八が行ったからさ」
「嘘」
お通は信じない。
「――こんな所を、あの人が通るわけがないではありませんか」
「ないかあるか知らないけれども、たった今、彼方へ行ったもの。編笠をかぶっていたぜ。そして、お通さんは気がつかなかったかい。おいらとお通さんをじっと見てたよ」