Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
「わからない」
城太郎は、有体に首を振る。
大蔵を落着かせぬ原因は、雇人の跫音よりも、階下へ泊り合せた角屋の女郎衆よりも、むしろそれを上から覗いている、二階の客どもの騒ぎにあった。
「わしは少し、町を歩いて来るからな、なるべく、部屋にいなくてはいけないよ」
「町へ行くなら、おいらも連れて行っておくれよ」
「いや、晩はいけない」
「なぜ」
「いつもいっている通り、わしの夜歩きは、遊びではない」
「じゃあ、何さ?」
「信心だ」
「信心は昼間しているからたくさんじゃないか。神様だって、お寺だって、晩は寝てるだろ」
「社寺をお参りすることばかりが信心ではない。ほかに祈願もあることでな」
と、相手にしないで、
「その挟み筥から、わしの頭陀袋を出したいが、開くか」
「開かない」
「助市が鍵を持っているはずじゃ、助市はどこへ行ったな」
「階下へ行ったぜ、さっき」
「まだ風呂場か」
「階下で、女郎衆の部屋をのぞいてたよ」
「あいつもか」
と、舌打ちして、
「――呼んで来い、早く」
大蔵は、そういって、帯を締め直しにかかった。
三
四十人からの同勢である。旅籠の下座敷は、ほとんど、角屋の連中で占めている。