Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
見ると、船の中にいた背のずんぐりした無法者で――。
「お忘れ物をなすったろう。こいつあ、おめえさんの膝ッ子から落ちたんで、拾って来たが」
と、赤地錦の――といっても余りに古びて金襴の光よりは、垢光りの方がよけいにする巾着の耳を抓んで、武蔵の顔の前へ出した。
武蔵は、顔を振って、
「いや、てまえの所持品ではありませぬ。誰ぞ、ほかの乗合の衆の物でござろう」
いうと、その横合から、
「ア、おらのだ」
と、無法者の手から、いきなりそれを奪って、懐中へ仕舞った者がある。
武蔵の側にいると、あまり背の違いがあるので、よく見ないと気がつかないほど小さい、伊織であった。
無法者は、怒った。
「やいやい、いくら汝の物だって礼もいわずに、引ッ奪くるという奴があるか。もいちど、今の巾着を出せ。改めて三べん廻ってお辞儀をしたら返えしてやるが、さもなければ、河ン中へ、叩っ込んでしまうから」
四
無法者の怒りようも大人げなく思われたが、伊織の仕方も重々よくない。――だが子供のことであるから自分に免じて寛してくれ、と武蔵が代って詫ると、無法者は、
「兄か、主人か、何か知らねえが、じゃあおめえの名を聞いておこう」