Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(五) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 508.883 caratteri · 1017 schermate
その間に、騎馬の女と、跛行の侍は、何か、ふた言三言話していたが、やがて侍は馬の口輪をつかんで、伊織のかくれている草むらの前を通りすぎた。
(今だ!)
と、伊織は思ったが、体がうごかなかった。――のみならずその微かな身動きをすぐ気どったらしく、馬のそばから振り顧った跛行の若い侍は、伊織の顔を、ぐいと睨みつけて行った。
その眼ざしからは、山の端の赤い日輪よりも、もっとするどい光が、ぎらりと射したような気がした。
で――伊織は、思わず草の中に俯ッ伏してしまった。生れてから十四の年まで、こんな怖いと思ったことはまだなかった。自分の位置を覚られる惧れさえなかったら、わっと、声をあげて泣き出したかも知れなかった。
懸り人
一
坂は急であった。
兵庫は、駒の口輪をつかみ、反り身になって馬の脚元を撓めながら、
「お通どの、遅かったなあ」
鞍の上を振り仰いでいった。
「――参詣にしては、余り遅いし、日も暮れかかるので、叔父上は案じておられる。――で、迎えに来たわけだが、何処ぞへ、廻り道でもして来たのか」
「ええ」
お通は、鞍の前つぼへ、身を屈めながら、それには答えず、
「勿体ない」