轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

くろだじょすい

黒田如水

吉川 英治

「週刊朝日」朝日新聞社、1943(昭和18)年1月~8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 163,639 字 · 325 页

青空文庫

二

そして安土を発し、二条新館に大軍をととのえ、摂津一円に、諸軍を配備した。

二

折も折であった。

こういう立場にあった信長の耳へ、黒田官兵衛の消息は伝わったのである。

「なに、官兵衛が、伊丹城内に囚われておると? ……」

その事情も併せ聞いたのであったが、信長はかく知ったせつなに、ふと猜疑の眼をひからせた。

直感のするどい人の常として、それが反れて猜疑化することは往々にしてある。信長は表面の理由といきさつだけを以て事実とは聞かなかった。

「たれが、官兵衛に向って、荒木村重に意見せよなどと命じたか。秀吉とて、予のゆるしなく左様なことはいたすまい。――小寺政職の書簡を携えて参ったというが、その事自体が解せぬではないか。何となれば、御着の小寺もまた、村重と呼応して、現在、あきらかに逆心を示しておるものを、何で、官兵衛をさし向けて、今更、村重に意見を呈そうや」

左右の諸将に、かく語るまでに彼がこれまでに抑えていた感情は、この小噴火口を見出して、勃然と、憤怒を噴いた。

「きゃつ、筑前をあざむいて、伊丹へ入城いたしたにちがいない。村重の帷幕に加わって、その智謀を加えよと、小寺からもいわれ、村重からも誘われて、うまうまと、潜り入ったものとみゆる。