轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
くろだじょすい
黒田如水
吉川 英治
「週刊朝日」朝日新聞社、1943(昭和18)年1月~8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 163,639 字 · 325 页
鷹
一
官兵衛は心中にその過分な辞をすこし疑ったが、秀吉はさらにそれを不当とは思っていないらしく、ふと、横の座を顧みて、
「……すると、お許と官兵衛とは、ちょうど二つちがいになるな。官兵衛が一ばん年下で、次にお許、その上がかくいう筑前か。思えばわしもいつかもう若者の組には入らなくなって来つるわ。さりとて、まだまだ、大人の組にも入りきれぬしのう」
と自嘲をもらして、また大いに笑った。
そこにいた一個の人物も、ことばなく黙然と微笑した。初めにちょっと会釈しただけで、ついまだ一語も発せずに秀吉のわきにひたと坐っている一武人である。面は白く筋肉は痩せて、たとえば松籟に翼をやすめている鷹の如く澄んだ眸をそなえている。官兵衛はさっきからひそかに気になっていたので、
「こちらは、誰方でござるか。ご家中の方でいらせられるか」
と、今をその機と、秀吉へ向って訊ねてみた。
鷹
一
「お。こなたの人か」
秀吉はまじめに紹介わせを述べた。
「――竹中半兵衛重治。ご承知でもあろうが、美濃岩村の菩提山の城主の子じゃ。いまはこの筑前の軍学の師でもあり、家中のひとりでもあるが、信長卿より羽柴家へ付け置かるるという特殊な関係になっておるので、いつ召し戻されるやも知れぬと、秀吉も内心常に恟々としておる厄介な家人だ。