轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
くろだじょすい
黒田如水
吉川 英治
「週刊朝日」朝日新聞社、1943(昭和18)年1月~8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 163,639 字 · 325 页
道は一すじ
一
十中の八、九まで、この儀は確実と思われます」
という間諜の報らせが入った日、姫路の黒田宗円からも、それと同じ早打ちが来た。もう疑う余地もない出来事である。
道は一すじ
一
「折入ってのお願いです。私に数日のお暇をいただかせて下さい」
官兵衛はそういって、秀吉の前に手をつかえた。一夜を懊悩した結果である。自責から来た深刻な決意が眉にも漲っていた。
「どこへ行く」
この危局をいかに処すか。秀吉もまだ熟考中とみえる。言下に、よろしいとはいわないのを見てもわかる。
きのう以来、秀吉もまた、滅多に見せない沈痛な面持を、自ら如何ともし難い容子にあらわした。――その姿を仰ぐも辛そうに、官兵衛はさらに額をつけていった。
「一鞭打って、御着まで行って参りまする。私がそこへ臨む以上は、断固として、家中の異分子を片づけ、主人政職には意見を呈し、かならず浅慮な変節を正さずには措きません」
「さあ、どうかな? お汝が行っても、今となっては」
「いや、お遣わし下されば、たとえ官兵衛の一命を賭しても……」
ことばの上だけではない。官兵衛はその生命がけな気持を、眸にもこめて、秀吉の唇許を見つめた。