轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
くろだじょすい
黒田如水
吉川 英治
「週刊朝日」朝日新聞社、1943(昭和18)年1月~8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 163,639 字 · 325 页
二
ぬ」
事実、半兵衛の病状は、この晩も、体に熱があって、折々悪寒を催していたほどだった。
彼が、療養中の身を推して、再びこの戦場へ戻ってきたのは、病が癒えたためではなく、その病の不治と、死期の遠くないことを覚ったからであった。武将と生れて、畳の上で死ぬは口惜しい限りであると思い極め、松千代を伴って、中国へ下るとともに、それを機会に、秀吉の側へ帰っていたものである。
秀吉も、彼の病状が、以前と較べて、少しも快くなっていないことを察して、深く案じていたが、半兵衛の姿には、死生を諦観して澄み徹っているような気高さがあった。秀吉のことばもその覚悟の体をうごかすことはできなかった。
二
秋も更けた頃である。半兵衛重治の病は急に篤いと沙汰された。彼の陣屋の幕は寒々と夕風に揺れ、その宵、丸木組の病屋のうちには、秀吉も枕頭に詰め、官兵衛も昨夜以来、詰めきって、あらゆる看護を尽していた。
「もはやお別れの時が来たように思われます。殿にもおすこやかに。官兵衛殿にも」
重治は末期を覚って枕頭の人々へ告げた。秀吉は掻い抱かんばかりに摺り寄って、
「今、中国の事もまだ半途なのに、そちに別れるは、闇夜に燈を失うような心地がするぞ。