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くろだじょすい
黒田如水
吉川 英治
「週刊朝日」朝日新聞社、1943(昭和18)年1月~8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 163,639 字 · 325 页
三
もちろん、主人救出組の人々へは、その都度、新七から会合の内容が伝えられていたことはいうまでもない。
三
はからずも城方の一部将に、同情者を見出したので、黒田家の十三士は、
「天もわれらをあわれみ給う。われらの真心はかならず届くにちがいない」
という信念をようやくここに固めることができた。絶望に似た暗闇の彷徨から初めて一点の希望をそこに見た心地である。
なお幸いにも、伊丹亘は、北搦手門の守備を、一夜措きに勤めている。――で、彼のはからいに依って、六月の末の闇夜、同志のひとり三原隼人が、忍び上手なので、城壁をこえてまぎれ入り、城中北曲輪の天神池のそばにある主君の獄舎まで、内外の連絡をとるために行くことになった。
しかしこの計画は見事に失敗に帰した。
なぜならば、伊丹亘が、その便宜を与えてやっても、城門の守りは、彼の一手だけではない。まして、伊丹城はいまや、四六時中、警固に警固を厳にされている非常時中の城だった。たちまち他の組に発見されて、三原隼人は二、三発の狙撃弾に見舞われ、怪我はしなかったが、飛鳥のごとく逃げ帰って来るしかなかったのである。
たれいうとなく、城内でも、